NHKの手話ニュースをたまに見ます。洪水のように垂れ流される日々のニュース群とは異なり、どうやら必要なニュースだけを選りすぐりで放送しているようです。ニュース群の見出しをあらかじめ知っている状態でNHKの手話ニュースを見る者としては、どれを捨てて、どれを選び、どのような言葉で視聴者に伝えようとしているのか、その選択眼と伝達力に、いつも感服しています。さすが、です。聞こえる者たちは、まるで雑音の荒波の漂流者たちですね。聞こえているのに聞こえていないかのような。手話ニュースは聴覚障害者向けの放送でし...
手話検定の合格者。正式名は、手話通訳士と言うらしいです。外国語の通訳士と同じ、通訳士ですね。言葉の橋渡し役です。外国語の通訳士のように、言葉から言葉へと変換するのではなしに、手話通訳士は、言葉を手話を介して言葉に変換するわけです。どうりで。NHKの手話ニュースが優れているわけです。1工程、多いでしょう。しかもそれは肉体をもって表現されるわけでしょう。手話通訳士の方々は、演者だとも言えます。たとえば俳優のような、演じる方々です。クリエイティブ。演じられることで、平面なニュースが立体のそれに変わるわ...
手話通訳士は、2種類の手話検定のうちの1つです。手話技能検定と、手話通訳士試験(手話通訳技能認定試験)がそれです。ろう者とのコミュニケーションを目的とした手話技能検定と、よりアカデミックな手話通訳士試験。どちらが人気の手話検定でしょうか。しっかりと将来を見据た、職業としての手話での語り手を目指すならば、手話通訳士試験に照準を定めるのでしょうが、受験者数は、それほど多くはないと思われます。「手話を習いたい」と素朴に願う人々の数のほうが、圧倒的に多く、したがって手話技能検定が人気の手話検定だと言えま...
習字やそろばんと同じように、手話技能検定にも「〜級」が用意されています。級を段階的に上げていける仕組みになっていて、これは手話技能検定の分かりやすさ(入りやすさ)と、上達するまでのあいだのモチベーション維持にも一役買っていることは間違いなさそうです。手話技能検定の級ごとの課題に取り組んでいるうちに、しぜんと手話技術が向上し、気づけば自分でもしらないうちに、かなり上達しているのではないでしょうか。手話技能検定の技術のなかには、先ほど申し上げたクリエイティブ要素も含まれています。決められた身振り手振...